AIナレーションの盲点 ──それでも「人の声」を選ぶとき
投稿日:2026.01.15
前回のブログ「進むナレAIナレーションの制作現場」には、多くの反響をいただきました。
AIナレーションの実用性や現場での使いどころについて、共感や納得の声を多く頂いた一方で、
「どんな案件でもAIで問題ないのか?」「人のナレーターを使う判断基準は?」という相談も増えています。
今回は、AIナレーションを理解したうえで、あえて「人の声」を選ぶべきケースを整理します。
■ 人のナレーションが力を発揮する場面
1. 信頼や責任が問われる公式メッセージ
企業トップのメッセージや公式説明動画では、「誰が語るか」が重要です。
AI音声は正確ですが、責任や覚悟を伝える役割は担えません。
この領域では、人の声そのものがメッセージになります。
2. 人の想いや人生を伝えるコンテンツ
採用やドキュメンタリー系の動画では、
言葉以上に「間」や「揺らぎ」がリアリティを生みます。
不完全さが価値になる場面では、人の声が適しています。
3. 高額・長期のB2B商材
高額なB2B商材では、「誰が説明責任を負うのか」も判断材料になります。
合理性だけではなく、人が関与している安心感が重要です。
4. 教育・研修で「あえて考えさせたい」とき
研修や教育では、理解よりも「思考のきっかけ」を与えることが目的になることがあります。
抑揚や間を使った表現は、現時点では人のナレーションが有利です。
5. ブランドの第一印象に影響を与える場合
ブランドムービーやWebのファーストビューでは、声そのものがブランドイメージになります。
AIナレーションは無難ですが、記憶に残りにくいという側面があります。
■ 判断のシンプルな軸
制作現場では、次の整理が有効です。
・How(説明・操作) → AIナレーション
・Why(思想・価値・覚悟) → 人のナレーション
AIは万能ではありませんが、人が力を発揮すべき領域を明確にしてくれる存在でもあります。
■ 所感
AIナレーションは、映像制作の可能性を大きく広げました。
だからこそ重要なのは、「使えるか」ではなく「使うべきか」の判断です。
百人組では、AIと人を対立させるのではなく、
目的に応じて最適な声を設計することを大切にしています。
