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就活生の検索意図に応じた「採用コンテンツ戦略」

前回は「ロングテールキーワードを意識したテーマ設計」の重要性についてお話ししました。
今回はその実践編として、就活生の検索フェーズごとに必要なコンテンツの方向性と設計ポイントを解説します。

採用サイトにおける情報発信を「なんとなく伝えたいこと」から、「検索者の悩みに応える設計」へと変えていくヒントにしていただければと思います。

フェーズ①:情報収集段階

キーワード例:

  • 「文系 就職先 種類」

  • 「IT業界 特徴 わかりやすく」

  • 「大手と中小企業 違い メリットデメリット」

ユーザー心理:
まだ就活を始めたばかり。視野を広げている段階で、自分に向いている業界や職種を探している。

有効なコンテンツ例:

  • 業界研究コンテンツ(例:「IT業界を5分で理解する」)

  • 数字で見る〇〇(男女比・残業時間・新卒3年後の定着率など)

  • 「〇〇業界って実際どう?」シリーズ

  • 現役社員による業界Q&A(就活生の疑問に答える形式)

ポイント:
検索上位を狙うよりも、“一次情報”や“図解”などで理解を助ける工夫をすると効果的。

フェーズ②:比較検討・不安解消段階

キーワード例:

  • 「〇〇株式会社 雰囲気 実際」

  • 「若手 活躍 ベンチャー」

  • 「営業職 向いてない人 特徴」

  • 「福利厚生 強い会社 一覧」

ユーザー心理:
複数社を比較し始め、不安や違和感も感じている。自分に合う会社かを確かめたい。

有効なコンテンツ例:

  • 社員インタビュー(ストーリー重視/人柄が伝わる内容)

  • 若手社員の「1日のスケジュール」「1ヶ月の仕事まとめ」

  • 「〇〇に向いていないと思っていた私が入社して変わったこと」

  • 「〇〇の福利厚生を1つずつ体験してみた」シリーズ

ポイント:
疑似体験・感情共有がカギ。
「不安→共感→納得」というストーリー設計が響きやすい。

フェーズ③:意思決定・応募直前段階

キーワード例:

  • 「〇〇株式会社 面接 雰囲気」

  • 「入社後 キャリアモデル 〇〇」

  • 「社員の成長 研修内容 実例」

ユーザー心理:
エントリーを前向きに検討中。あとは最後の決め手や後押しがほしい段階。

有効なコンテンツ例:

  • 内定者インタビュー「決め手は〇〇だった」

  • 先輩社員のキャリアステップ事例(入社3年目・5年目など)

  • 実際に使われている研修制度・育成プログラムの紹介

  • 採用担当が語る「面接で大切にしていること」

ポイント:
この段階では“信頼性”が何より重要。飾らず誠実なトーンで「裏表のなさ」を示すことが求められます。

【応用編】検索意図をコンテンツ設計に活かす5ステップ

  1. 就活生が検索しそうな悩みや質問をリスト化

  2. SNSやGoogleサジェスト、質問掲示板でリアルな言葉を収集

  3. 各フェーズ(情報収集/比較/決定)に分類

  4. ロングテールキーワードを含んだコンテンツテーマに落とし込む

  5. “1テーマ1ニーズ”のコンテンツを丁寧に制作

 まとめ|検索の裏にある「迷い」に応える採用広報へ

検索キーワードの裏側には、就活生たちの不安や迷い、希望と葛藤が隠れています。
その意図に寄り添ったコンテンツこそが、心に残る採用広報を実現します。

企業の視点ではなく、検索者の視点で構成すること
それが今、採用コンテンツ設計においてもっとも求められている姿勢です。