就活生の検索意図に応じた「採用コンテンツ戦略」
投稿日:2025.04.29
前回は「ロングテールキーワードを意識したテーマ設計」の重要性についてお話ししました。
今回はその実践編として、就活生の検索フェーズごとに必要なコンテンツの方向性と設計ポイントを解説します。
採用サイトにおける情報発信を「なんとなく伝えたいこと」から、「検索者の悩みに応える設計」へと変えていくヒントにしていただければと思います。
フェーズ①:情報収集段階
キーワード例:
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「文系 就職先 種類」
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「IT業界 特徴 わかりやすく」
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「大手と中小企業 違い メリットデメリット」
ユーザー心理:
まだ就活を始めたばかり。視野を広げている段階で、自分に向いている業界や職種を探している。
有効なコンテンツ例:
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業界研究コンテンツ(例:「IT業界を5分で理解する」)
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数字で見る〇〇(男女比・残業時間・新卒3年後の定着率など)
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「〇〇業界って実際どう?」シリーズ
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現役社員による業界Q&A(就活生の疑問に答える形式)
ポイント:
検索上位を狙うよりも、“一次情報”や“図解”などで理解を助ける工夫をすると効果的。
フェーズ②:比較検討・不安解消段階
キーワード例:
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「〇〇株式会社 雰囲気 実際」
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「若手 活躍 ベンチャー」
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「営業職 向いてない人 特徴」
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「福利厚生 強い会社 一覧」
ユーザー心理:
複数社を比較し始め、不安や違和感も感じている。自分に合う会社かを確かめたい。
有効なコンテンツ例:
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社員インタビュー(ストーリー重視/人柄が伝わる内容)
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若手社員の「1日のスケジュール」「1ヶ月の仕事まとめ」
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「〇〇に向いていないと思っていた私が入社して変わったこと」
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「〇〇の福利厚生を1つずつ体験してみた」シリーズ
ポイント:
疑似体験・感情共有がカギ。
「不安→共感→納得」というストーリー設計が響きやすい。
フェーズ③:意思決定・応募直前段階
キーワード例:
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「〇〇株式会社 面接 雰囲気」
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「入社後 キャリアモデル 〇〇」
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「社員の成長 研修内容 実例」
ユーザー心理:
エントリーを前向きに検討中。あとは最後の決め手や後押しがほしい段階。
有効なコンテンツ例:
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内定者インタビュー「決め手は〇〇だった」
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先輩社員のキャリアステップ事例(入社3年目・5年目など)
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実際に使われている研修制度・育成プログラムの紹介
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採用担当が語る「面接で大切にしていること」
ポイント:
この段階では“信頼性”が何より重要。飾らず誠実なトーンで「裏表のなさ」を示すことが求められます。
【応用編】検索意図をコンテンツ設計に活かす5ステップ
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就活生が検索しそうな悩みや質問をリスト化
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SNSやGoogleサジェスト、質問掲示板でリアルな言葉を収集
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各フェーズ(情報収集/比較/決定)に分類
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ロングテールキーワードを含んだコンテンツテーマに落とし込む
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“1テーマ1ニーズ”のコンテンツを丁寧に制作
まとめ|検索の裏にある「迷い」に応える採用広報へ
検索キーワードの裏側には、就活生たちの不安や迷い、希望と葛藤が隠れています。
その意図に寄り添ったコンテンツこそが、心に残る採用広報を実現します。
企業の視点ではなく、検索者の視点で構成すること。
それが今、採用コンテンツ設計においてもっとも求められている姿勢です。